楔28本目 絶対に失敗をしない

たとえ上司、部長から指示があったことであっても、自分の中でこれは失敗するのでは、と感じることはやってはならない。

昨日とある専門家集団への仕事の依頼の説明を部長からしてもらい、大炎上した。私はその方法では大炎上すると思っていたが案の定し、クレームは私に集まった。

「うまくいかなそうなことはわかっている。だけれども上層部の指示なのでやらなければならない」これで、私は失敗を良くしている。上層部のせいということではない。私が成功するイメージをきちんと持たないまま、実行に移してしまうことが問題なのだ。こうすればこうなる、というイメージを持つことだ。こうすればこのような失敗をするかもしれない、この話を聞いた人はこのように思うかもしれない、といった、想像力が必要だ。これが足りない理由は、私は普段人と接する機会が少ないからだ。結果として、私が少しすきを見せれば、すべて私の責任となって、私が損をすることになる。年齢的にもう後がない。失敗は絶対に避け、隙のない生き方をしなければならない。

振り返ってみれば、私は毎朝、一日の仕事の流れを想像する、イメージする、といったことを全くしていない。ただ惰性で会社に行き、仕事を左から右へ流しているだけだ。困ったら、家で考える、と言って、必ずと言っていいほど考えずに翌日を迎えることになる。結果として考えないまま大切なプレゼンを迎えることになり、炎上することになる。そして炎上したあとは、この会社のこの部署に異動になってしまったことに対する後悔や、このままではいけないがもはや年齢的にもどうしようもないという絶望感に包まれながら、ぼーっと一日が過ぎる、ということの繰り返しだ。客観的に見てあり得ないほど愚かな毎日の生き方であるが、これが私の現実なのだ。毎日、怠惰で、将来の不安と過去の後悔、現実から目を背け何とかごまかしてやり過ごす日々を振り返ったところで、後ろに何も積み重ねたものが残っていないというのはこれはもう自明のことである。何も残らないような生き方を自ら選んでいるのだ。

私は日々の過ごし方、人生への向き合い方を修正しなければならない。特に、仕事をきちんと考え抜き、やりきるという点で非常に甘い。

まずは、明日の仕事を想像してみよう。会社に行き、上司にプレゼンをする。資料はできていないが、もうすでに私は寝ようとしていた。そうやって、大切なやるべきことをどんどん後回しにしていく癖を、やめなければならない。

昨日の会議の準備時、大画面のモニターに映る腑抜け、にやけ、苦虫をかみつぶしたような弱そうな自分の顔を直視できなかった。思わず目をそらしたが、それこそが本当のお前だ。