楔21本目 完成形をイメージする

佐藤優さんの「40歳でシフトする働き方の極意」にこのような文章があった。「リーダーはメンバーに対して、仕事の完成形を見せるのが仕事」。これがないと、部下は皆混乱する。

当たり前のことだ。しかし、私はこれができていなかった。

「時々、メンバーから意見を出してもらって、それをもとにいろいろとああだこうだと試行錯誤を始める上司がいますが、こういった行き先の定まらない仕事の仕方は部下を疲弊させ、信頼を失うこととなります」

まさに私の思考回路、仕事の仕方であった。あっちこっちへふらふらして、ひらめくのを待つのだ。数学の難問を解くのならそれでもよいのかもしれないが、ビジネスの場合は異なる。それほど難しい問題が出るわけでもない。基本問題を大量に、必要な問題を見分けてさばいてゆくようなものだ。

私はようやく、過去のチーム運営の失敗、それから最近の信頼の無さの原因を見た気がした。完成形を意識して仕事をするようにしたい。