楔25本目 時間の価値と金額

PCを購入した。合計18万程度するものを、自分の使用状況を鑑み16万のモデルを選択し、さらにそこからあの手この手で、2万円近く値引きしてもらった。1万円は他店舗情報などであるが残りの1万円弱は、500円単位の割引の積み重ねであった。

交渉から購入まで、他店の下見も含めると3時半を要した。

そもそも、キーボード部分をディスカウントしてもらえる時期に購入するか迷っており、結局やめたのだった。初めてこのPCを見たときに買えば、迷った時間も含めて、10時間以上は他のことに使えたであろうし、そのPCを使用しなかったことによる機会損失もあった。私は結論を出すことを引き延ばすことで得た便益よりも、明らかに損をしている結果となった。

そもそもこのPC購入が必要だったのか、という問題もあるが、明らかに必要であっただろう。業務に支障が出ていたからだ。

高額な出費であるが、4年前に旅行先でPCが破損し、帰国して即決で20万で購入したPCを、更新することにしたのだ。4年間、お気に入りのPCだった。基本的に動作も早く、軽く、私の生活をずっと支えてくれた。今このブログを書いてきて、このPCに感謝の念がわいてきた。このPCを使用している間、私は結婚をし、チームリーダーを任され失敗し、会社で2度の受賞をし、R&Dへ引き抜かれてまたそこで失敗した。キャリアはまさにどん底といってもよい状況。結婚についても不満だらけであるが、絶妙なバランスが取れて何とか現状維持がされている状態である。キーボードはなめらかで打ちやすいし、感謝の念しかない。手放すのが惜しくなってきた。しかし業務に支障が出ており、大学でも使いにくかったので、また私は次のステージに進まなければならない。本来ならば楔を打つ日に私はその新しいPCに更新をしようとしていたのだ。私は全てを変えなければならない。毎日毎日新しい自分にならなけばならないのだ。この4年間、このPCで頑張ってきたのだ、と思うと、感慨深いものが出てくる。思い返せばつらいことばかりだった。悔しい情けない思いをすることの方が多い4年間だった。もっと、自分ができたことを誇り堂々としていればよかったし、それにそのような失敗を引き起こしたのは怠惰な自分の問題である。私は次のPCでは、必ず自分の怠け心に打ち勝ち、自らの人生を新しく希望があるものへ切り開くビート版のようなものとして使いたいと決意してこのPCを終了とする。今までこんな怠惰で意志薄弱な私に4年間毎日欠かさず付き合ってくれて、本当にありがとう。